回転によるフラクタルの構成では、回転によりフラクタルが構成されることを説明しました。
　 円周（の整数倍）だけ離れて認識すると、大きさが小さく見える性質を利用しています。

　ここでは更に、直交する方向から同様の認識を行います。

(1) 長さ１の存在を、距離１離れて認識します。

(2) 次に、円を１周して同じ認識を行います。
　　(1)の認識による長さは、距離が(1 + ｎ)倍になるので、1/(1 + ｎ) になります。
　　（距離と大きさの関係　ご参照）

　　n は１よりも十分大きいので、
　　1/(1 + ｎ) 　≒　1/ ｎ　
　　となります。

　　よって、(1)の認識による長さは、1/ ｎ になります。

　　円を１周すると、回転前と同じ位置に戻るため、長さ１の認識を再度行うことが可能です。
　　この２種類の長さ（1/ ｎ と １）　を同時に認識することになります。
　　これを （１ + 1/ ｎ ） とします。

--- (1) (2) は、回転によるフラクタルの構成の内容です。

(3) 次に、円周ｎの円（(2)の認識で使用）を、直交する方向から認識します。

　　円の中心から距離ｎだけ離れて認識します。
　　次に、円を１周して円周ｎの円を認識します。
　　認識するための円周をn^2（ｎの２乗）とします。
　　２つの円は互いに直交します。（上図）

　　n→∞とします。

　　円周ｎの円を距離nだけ離れて認識すると、大きさは変わらず、円周はｎのままです。
　　円周ｎの円を１周（距離n^2）離れて認識すると、小さく見えます。
　　円までの距離がｎとn^2なので、小さい円の大きさは、大きい円の1/ｎ倍になります。
　　その結果、小さい円の円周は１になります。

　　(2)で1/ｎの長さと認識した存在は、距離がｎだけ離れていました。
　　（円周分の距離）
　　しかし、 (3)の処理でこの距離が1になりました。（小さい円の円周）

　　その結果、(2) の２種類の長さは共に距離が１の場所に存在することになります。
　　これでフラクタルは完成です。（３次元（立体）のフラクタルの完成）
　　距離１に大小の同形構造が共に存在するためです。

　　このように、互いに直交する２方向の回転で認識を行うと、３次元のフラクタルを構成できます。

　　回転による３次元フラクタルの構成方法を、ご理解頂きたいと思います。

（2022.11.6　午後10時　記載)