貨幣へのオプション概念の導入
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貨幣の保有はオプションの保有である

 オプション取引をご存知でしょうか。参考書では、

 「商品や有価証券等一定数量の資産を、一定の期日または期間内に、あらかじめ定められた価格(権利行使価格)で購入または売却できる権利の売買。」

 と記載されています。

 権利の売買なので、買主はこの取引を行っても行わなくても、どちらでも構いません。その価格が有利な場合だけ、権利を行使し、不利ならば権利を行使しなければいいのです。
 オプションの買主は、オプション料を支払います。権利の見返りとなる費用を、オプションの売主に支払うのです。オプションの売主には、買主がオプションを権利行使した時に、その条件で取引を行う(買主の相手をする)義務があります。その対価として、オプション料を受取ることができるのです。

 お金を保有するということは、いつでも自由にサービスを購入することができる権利を保有するということです。ですから、お金を持つことは、ある種のオプションの保有ということになります。

 オプションの所有者は、その権利の見返りとして、オプション料を支払います。
 貨幣の所有をオプションの所有とすれば、貨幣の所有者はその金額、期間に応じてオプション料を支払わなければなりません。

 例えば、100円を1日所有する場合のオプション料を1円とします。

 現在100円保有 → 明日99円保有(1円オプション料支払)
              明後日98.01円保有(更に0.99円オプション料支払)

 貨幣の所有をオプションの保有と考えると、このように金額が時間と共に減少することになります。

 この場合、貨幣総額の変化率は、残高が減少するのでマイナスということになります。

 以上の考察から、貨幣総額の変化率を金利と考えると、貨幣の保有にはマイナス金利の適用が必要ということになります。(オプション料支払いのため)  

 著書「マイナス金利の導入」で、マイナス金利の導入が経済理論に必須であることを説明しました。その主要な論点は以下になります。

1. 貨幣は経済取引が行われる瞬間にだけ価値を保有できる。この場合、経済取
   引総額と貨幣総額は一致する(同金額、逆方向の動きになる)。
2. 経済取引規模の変化率と貨幣総額の変化率は完全に一致する(1の前提から
   当然である)。これは、(名目)経済成長率と金利が完全に一致することを意味
   している。
3. 経済取引規模の変化率と貨幣総額の変化率が一致しない場合には、経済取引
   は成立しない。
4. (名目)経済成長率がマイナスの場合には、金利をマイナスにする必要がある。  

 以上で、マイナス金利の必要性は十分説明できているのですが、経済理論・制度にこれを導入する動きが明確になっていません。金利をマイナスにしなければならない理由を、専門家等の方々が十分に理解できていないことが、その最大の理由だと考えられます。
 (電子マネーの普及もマイナス金利導入に必要です。(個人所有の紙幣や硬貨等を減少させることはできません))  

 本文の内容は、マイナス金利導入の必要性を更に分かりやすく説明するものです。貨幣保有をオプションの購入と考えれば、オプション料の支払いから金利がマイナスになるのは、極めて当然ということになるのです。

 
 過大な債務を抱える場合、金利水準は名目経済成長率以下にするべきである

 「(名目)経済成長率と金利水準は一致する」という主張は、「貨幣価値は経済取引が行われる瞬間にだけ発生する」という前提下で行っています。それ以外に貨幣を発生させる場合には、この主張は成立しません。

 現在の日本では、国と地方の借金が1000兆円を超えています。これは経済取引に使われない莫大な貨幣(債権・債務)が発生していることを意味しています。
 この状況下で適用するべき金利水準をどのように考えるべきなのでしょうか。

 
 「貨幣価値は経済取引が行われる瞬間にだけ発生する」という前提から、経済取引に使われる貨幣の変化率(金利水準)には、(名目)経済成長率を適用するべきということになります。
 また、経済取引に使われない貨幣には、オプション料が発生します。よって、ここに適用すべき金利水準は、マイナス金利ということになります。

 前者の貨幣総額をA、後者の貨幣総額をBとします。金利水準をそれぞれr(A)、r(B) とすれば、貨幣全体に適用するべき金利水準 R は

 R = { A × r(A) + B × r(B) } ÷ ( A + B )  

 となります。R(B) がマイナスなので、R はR(A)(名目経済成長率)よりも小さい値になります。  

 以上から、莫大な債務を抱える現在の日本では、金利水準を名目経済成長率よりもかなり低くする必要があるという結論が得られたことになります。  

 金利水準と名目経済成長率が一致していればいいという考え方は、現在の日本では通用しません。さらに金利水準を下げることが、日本経済再生のために必須なのです。

注意:本文中の名目経済成長率には全ての経済取引を含むため、GDP(国内総生産)の変化率とは完全には一致しません。(「マイナス金利の導入」に記載済)

(2007.2.17 午後11時 記載)

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