証券化廃止による金融不安の解消
輝の会は不良債権問題等、日本及び世界の金融経済問題を解決しました。
証券化廃止による金融不安の解消

 貨幣総額、平均貨幣使用回数(= 1年間/平均貨幣保有期間)、経済規模の間には以下の関係があります。

 貨幣総額 × 平均貨幣使用回数 = 経済規模   @
 平均貨幣使用回数 = 経済規模 / 貨幣総額   A
 平均貨幣保有期間 = 貨幣総額 / 経済規模   B

  (前提条件)
   ・貨幣総額には証券等を含む
   ・平均貨幣使用回数は1年間で貨幣が経済取引に使用される回数の平均を意味する
   ・経済規模は1年間の経済取引総額を意味する

 現在の金融不安は、貨幣の保有期間(債務の履行期間)が長期化し、返済期限までに債務を履行できない債務者が増えたことが原因です。よって、この状況を克服するためには、貨幣の保有期間を短期化する必要があります。
 上記B式から、貨幣の保有期間を短期化するためにとるべき方策は、以下の2種類に大別できます。

 1.貨幣総額の減少(証券発行額の減少、金利水準の引き下げ)
 2.経済規模の拡大(名目経済成長率拡大)

 貨幣総額が減少すると、貨幣の保有期間が短期化されるため、債務者が貨幣を受領するまでの期間が短期化されます。これが債務返済期間の短期化、信用不安の解消につながるのです。

 金利水準は名目経済成長率と一致させる必要があります。(著書「マイナス金利の導入」 ご参照)。これより高い金利水準では、貨幣の保有期間が長期化します。(不良債権発生につながります)
 金利水準の引き下げは、貨幣総額(借入、預金)の増加率低下を意味します。債務者は借入過多・預金不足の状況に陥っています。金利を引き下げると借入金の増加率が減少するため、返済が容易になるのです。(借入より預金が少ないため、預金金利の低下による影響は相対的に小さいのです)。

 経済規模を拡大することは、貨幣の平均貨幣保有期間が短期化されることを意味します。これは債務者の貨幣受領までの期間の短期化を意味するため、債務返済期間が短期化されることにつながります。債務返済が進むため、信用不安を解消できるのです。

 尚、財政出動による経済規模の拡大は国債等の発行につながります。これは1の貨幣総額の減少に反するため、金融不安の解消効果を減少させてしまいます。
 国債発行は国の信用低下につながります。国債発行は債務者救済(債務者の信用を高める)のために国家の信用を低下させる行為と考えるべきです。ですから、国家を含めた全体の信用は変わらないことになります。また、国債には利払いが必要です。返済期間が長期化すると、莫大な利払いが発生するため、将来的には増税が必要になります。増税は消費縮小につながり、経済規模拡大の阻害要因となります。ですから、国債発行は根本的な解決策にはならないのです。

 現在の金融不安はサブプライムローン(住宅ローン)問題が発端になっています。その原因は高金利及び証券化にあります。

 名目経済成長率より高い金利水準では、不良債権が発生します。
 アメリカの名目経済成長率は年6%程度(2004年〜2006年)ですが、サブプライムローンでは借入から2〜3年経過後の金利が10%を超えます。経済成長率と金利の差は返済不可能であるため、不良債権が発生したと考えられるのです。
 金利の本質的な意味は、使いたい時に自由に貨幣を使えるようにすることです。しかし、債権者にだけメリットが還元される不公平な制度です。金利を無くし、借入額をそのまま返済すればいいという制度を確立すれば、サブプライムローンのような問題は発生しなくなります。
 1990年代以降の日本の不良債権発生原因も、名目経済成長率以上の高すぎた金利水準なのです。この事実がアメリカの金融・経済界全体に広まっていたならば、サブプライムローンによる不良債権の発生を防止できたかもしれません。情報が十分に広まっていないため、同じ過ちを繰り返してしまったのです。
 名目経済成長率と金利水準が一致するという考え方は、「マイナス金利の導入」(2003年発表)で初めて唱えた理論です。現在のリスク管理の理論には、この考え方は導入されていないと思われます。ですから、金融機関のリスク管理は不十分なのです(金融政策等、金利水準を誤った場合のリスク計上ができていない)。サブプライムローン問題は金利水準コントロールミスの一例に過ぎないと考えられます。
 正確な情報を広めることが、金利コントロールミスの防止につながり、金融・経済の安定・発展につながるのです。

 サブプライムローンの証券化が、問題を更に大きくしました。
 サブプライムローンを証券化して販売しため、将来貨幣と現在貨幣間の回転が発生し、貨幣総額が増大しました。これがリスク拡大につながったのです。ローンの返済不履行が(回転数+1)倍の貨幣価値減少につながったため、世界的な信用不安が引き起こされたのです。
 証券化を廃止すると将来貨幣による貨幣総額の増大を抑えることができます。金融システム全体のリスク拡大防止に直結するのです。ですから、証券化制度廃止は今回の金融不安に対する極めて有効な対策ということになります。

(2008.11.1 午後4時 記載)
(2012.10.18 回転数倍→回転数+1倍 に修正(1箇所))
前ページ  次ページ

Copyright © Akira Takizawa all rights reserved.