アベノミクスは(実質)マイナス金利政策
輝の会は不良債権問題等、日本及び世界の金融経済問題を解決しました。
 
アベノミクスは(実質)マイナス金利政策

 アベノミクスとは、安倍内閣の経済政策のことです。
 金融緩和・財政出動・成長戦略がその柱になっています。
 このうち、金融緩和では、インフレターゲット(物価上昇率目標)を2%に設定しています。

 3月20日に、黒田東彦氏が日銀総裁に就任しました。
 安部政権の政策を実現する適任者であるというのが、最大の理由です。

 黒田日銀総裁を中心とする4月4日の金融政策決定会合で、以下の政策が決定されました。

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 (1) 2%の物価上昇を2年程度で達成する。
 (2) マネタリーベース(中央銀行が供給する通貨のこと)を2年で2倍にする。
 (3) 国債の保有額、平均残存年期間を2年間で2倍以上とする。
 (4) 上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(J-REIT)の購入を増加させる。

 また、金利水準全体を低下させることが金融緩和の目標であると説明しています。

 (3)の国債購入では、満期までの期間が平均3年弱→7年へと延ばされます。
 国債購入は国債価格上昇→国債金利低下につながります。
 国債金利は指標金利です。日銀はより長期の金利を低下させる目的で、満期までの
 期間を7年へ長期化させるのです。
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 ここでは、上記政策の本質的な意味について検討を加えたいと思います。

 実質金利という概念があります。名目金利から物価上昇率を引いた値のことです。
 貨幣価値は物価が上昇すると減少します。
 貨幣価値の推移を物価との関連で理解するため有効なのが、実質金利なのです。

 今回の金融緩和では、物価上昇率を2%にすることを目標としています。
 また、金利水準低下も目標としています。

 預金金利は現状でも年1%にさえ満たない状態です。
 今回の金融緩和では、更なる金利低下を目標としています。
 一方、物価上昇率は2%が想定されています。
 今回の金融緩和で目標とされる実質金利は

 実質金利 =  金利 − 物価上昇率 = −2% (に近い値)

 このように、今回の金融緩和政策は、実質金利をマイナスに誘導する、
 (実質)マイナス金利政策 なのです。

 (実質)マイナス金利は、貨幣価値の減少を意味します。
 これは今回の日銀による金融緩和が行われない状況では、預金に課税するのと同じことです。
 (物価変動なしで預金残高が減少し、購入できる物が減少する場合と同じ効果です。)

 この状況は名目金利をマイナスにし、預金残高が減少する効果に似ています。
 (マイナス金利の導入 ご参照)
 このようにマイナス金利を導入する場合や、預金に課税する場合、預金者に負担を課すことを明確に説明し、理解して頂くことになるので、国民に対する説明責任を果たしていることになります。
 国民は預金価値減少を予め理解することができるのです。

 一方、今回の金融緩和の場合、預金者は預金価値目減りという形で負担させられるにもかかわらず、この事実の説明を聞いていない状態です。
 預金者に対するごまかしが発生しているのです。
 その分、マイナス金利導入や預金への課税等に比べて、不親切な政策と言えるのです。

 また、今回の金融緩和では、金利がプラスで実質金利がマイナスになるため、利息には税金がかかります。
 実質金利をマイナスにされた上、さらに税金を払わされるのです
 このように、預金者には2重の負担が発生します。
 物価上昇率2%、金利1% の場合、預金の実質金利はマイナス1%となり、更に金利1%に税金(税率20%の源泉分離課税)がかかります。預金者の負担は

 (1−2)−1×0.2 =−1.2%

 となります.預金に対する負担が残高の1.2%分発生するのです。

 一方、物価変動なしでマイナス金利を導入する場合、利息を受領しないので、利息に対する税金は発生しません。その分預金者の負担は軽く済みます。
 実質金利と同じ−1%を導入するケースを想定します。
 この時、預金者の負担は1%のみです。利息に対する負担が無い分、負担が軽くなるのです。

 このように、預金者に対する2重負担が回避され、国民に対する説明責任を果たしているため、「マイナス金利導入」政策の方が今回の金融緩和よりも優れた政策なのです。
 (輝の会教義で、「貨幣制度廃止」 が最も優れた政策であることを証明済です。)

 (実質)マイナス金利 は、預金だけではなく、借金も減少させます。
 債務者の債務負担を減少させるのです。

 国や地方は莫大な国債や地方債を抱えています。この負担が今回の金融緩和((実質)マイナス金利の導入)により軽減されます。(預金価値減少と同時に発生します)
 これが金融緩和の主な狙いの1つなのです。

 実質的には、預金者の負担により、日本の借金等が減少することになります。
 国の借金のつけを、預金者が負担することになるのです。
 この点の説明不足が、今回の金融緩和における最大の問題点なのです。

 フラクタル経済理論第2巻で、「貨幣保有期間に上限を設定すべき」と説明しました。
 今回の日銀の金融緩和は、(実質)マイナス金利により、実質的に貨幣保有期間を減少させる政策です。
 (実質)マイナス金利により、預金価値は減少します。(借金の負担も同様に減少します)
 これは預金者の実質的な預金残高減少を意味します。
 その分だけ、貨幣保有期間は減少します。

 今回の金融緩和では、物価上昇分だけ給与が上昇するかどうかわかりません。
 また、上昇するとしても、物価上昇よりかなり後になるはずです。
 その間、物価上昇分だけ労働者は貧しい生活を強いられます。

 一方、貨幣保有期間に上限を設ける政策は、物価変動には直結しないので、物価上昇による貧しさは関係ありません。

 以上の理由で、今回の金融緩和は誤った政策だということをご理解頂けると思います。

 正しい政策は、貨幣保有期間上限設定政策なのです。
 (最終的に貨幣保有期間を0とすることにより、貨幣制度廃止を実現します。)

(2013.4.23 午前11時 記載)
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