外国為替理論の再構築
輝の会は不良債権問題等、日本及び世界の金融経済問題を解決しました。
 ホーム > 外国為替理論の再構築

外国為替理論の再構築

 円と外貨の金利水準の違いから、キャリートレードによる収益が問題視されています。
 キャリートレードとは、低金利の通貨を借りて、それを他通貨に換えて高い収益を得るものに投資する手法のことです。
 現在は円が低金利なので、円を借りて外貨で運用することにより利益を享受する取引が、問題とされているのです。

 このキャリートレードとは、利息とオプション権の双方を享受する取引です。ですから、理論的に矛盾しているのです。外国為替取引に貨幣のオプション概念を導入すれば、解決可能な問題なのです。

 外国為替は異通貨間の取引ですから、ここでは円とドルの取引により考察を進めます。
 円金利を0%、ドル金利を100%(年率)とします。ドル購入時の為替レートを1ドル100円とします。1年後の為替レートも同じとします。各種手数料等は無視します。

 円で1万円借りてドルを購入すると、100ドルになります。これを1年間運用すると、200ドルになります。これで円を購入すると、2万円になります。1年間で1万円の利益を得ることになります。

 この取引の問題点は、オプションの概念が貨幣に導入されていないことです。プラス金利は、保有期間の短期化により実現されます。ですから、ドル購入時の100ドルと1年後の200ドルの価値は等しいのです。この1年間でドルの保有期間が半分になっているのです。この期間の短縮(オプション権の喪失)が、100ドルの利息に変換されているのです。
 一方、円の金利は0%ですから、保有期間に変化はありません(オプション権に変化なしということです)。
 よって、円を借りてから1年後の200ドルと、1万円の価値は等しいのです。この場合、為替レートは1ドル50円ということになります。ドルの価値がオプション権の喪失により減少したため、為替レートが円高ドル安になるのです。

 このように、貨幣にオプションの概念を導入すれば、外国為替取引による利益の計上は理論的に不可能になります。
 そもそも貨幣の売買で利益を計上するということは、あってはならないことなのです。 貨幣は経済取引の瞬間にしか価値を保有できません。経済取引と分離した通貨間の取引で貨幣が生み出されていたのは、経済理論に矛盾が存在していたからなのです。
 保有期間の概念(オプションの概念)が貨幣に必須なのです。

金額と期間による貨幣の定義

 従来の経済理論では、貨幣の価値は金額により定義されていました。100円の貨幣を保有すると、その価値は1年後も10年後も保証されていたのです。
 しかし、貨幣にオプションの概念(保有期間の概念)を導入すると、事情は変わります。
 保有期間1年の100円は、保有期間2年の50円と同等の価値ということになります。

  G = 1/T   (Gは貨幣総額(円)、Tは貨幣の保有期間(年))  

 このように、貨幣の価値は、金額と保有期間のセットで定義しなければならないのです。単に金額だけで貨幣の価値を定義することは不可能なのです。
 同じ100円でも保有期間が1年と10年では、価値に10倍の差があるということです(後者の価値が大きい)。

(2007.4.30 午前11時 記載)
前のページへ     次のページへ

Copyright © Akira Takizawa all rights reserved.