動的貨幣と静的貨幣
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動的貨幣と静的貨幣

 経済的価値を動的価値と静的価値に分けて検討しました。同様に、貨幣価値(動的価値)を動的貨幣と静的貨幣の2種類に分ける必要があります。

動的貨幣:経済取引に使われる貨幣。取引が行われる瞬間にだけ存在します。
       存在する時間は無限小(≒0)なので、見ることはできません。
静的貨幣:経済取引に使われない貨幣。通常見ている貨幣は全て静的貨幣です。
      静的価値との交換に使われない動的価値(株式や国債等)も静的貨幣です。

 時間軸方向に発生する貨幣価値は動的貨幣です。
 これに対し、静的貨幣はある一時点で全ての価値が存在しています。(金利等により総額が変更になる場合があります)
 よって、静的貨幣は時間軸に直行する成分として定義可能です。(時間の関数になります)。
 貨幣価値は取引の瞬間に発生します。この時の貨幣が動的貨幣です。経済取引に使う貨幣の総額が、動的貨幣総額になります。

 現在の制度では、経済取引が行われると(動的貨幣が使用されると)、同じ金額分の静的貨幣が取引者間を移動します。しかし静的貨幣を使用しているわけではありません。動的貨幣を使用した事実を静的貨幣で記録しているのです。使っているのはあくまで動的貨幣なのです。
 動的貨幣は時間軸方向の連続構造体です。しかし、取引の行われない時間もあります。この時間帯には動的貨幣は存在しません。ですから、動的貨幣は時間軸方向にとびとびの(不連続な箇所のある)構造体なのです(より正確な理解)。しかし、時間軸上で無限に連なる性質に変わりはありません。

 経済取引を行う人の数は有限です。動的貨幣は使用しても無くなりません。動的貨幣は使用され続けることにより、必ず循環します。その動的貨幣を複数回使用する人が必ずいるのです。このように貨幣は循環構造なのです。貨幣は時間の経過と共に回転し、フラクタル構造になります。動的貨幣は回転構造体、フラクタル構造体なのです。

 動的貨幣は取引主体間を循環します。時間経過と共に以前貨幣を使用した人に戻ります。(図42)はAに複数回動的貨幣が戻ることを意味しています。

 貨幣に時間軸方向の次元を定義することにより、構造を明確にすることが可能です。すると、貨幣がフラクタル構造であることを容易に理解できます(貨幣の中に貨幣が内包されている構造)。
 現在の金融経済制度は静的貨幣と動的貨幣から成立しています。しかし、貨幣のフラクタル構造は動的貨幣のみに成立します。静的貨幣は取引に使用されないため、フラクタルにならないのです。

 現在の貨幣は時間軸方向の連続性が考慮されていません。動的貨幣の概念が理解できていなかったのです。
 貨幣の構造に関する理解が不十分なまま、各種の商品が販売されています。これが金融経済の様々な問題の根本的な原因となっているのです。

 時間の経過と共に動的貨幣は増加を続けます、一方、静的貨幣総額は変わりません。
 (金利は価値の重ね合わせ(経済取引の本質)に無関係なので無視します)
 時間→∞ で、(静的貨幣総額)/(動的貨幣総額) は0に収束します。
 静的貨幣総額を動的貨幣総額で割ると0になります。これは静的貨幣には価値が無いことを意味しているのです。ですから静的貨幣は廃止する必要があるのです。

 現在の経済制度では動的貨幣の増加を静的貨幣として還元するため、経済取引の重ね合わせによる経済成長が阻害されています。
 静的貨幣を廃止することにより、動的貨幣の重ね合わせが円滑に進み、経済成長が促進されることになるのです。

 第2章で経済的価値は取引の連続性の中に保存されると説明しました。これは動的貨幣の中に経済的な価値が保存されることを意味します。動的貨幣を使用し続けることにより、経済的価値は拡大を続けることができるのです。

(2009.8.14 午後10時 記載)
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