時価会計廃止
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時価会計廃止

 時価会計では有価証券(一部)の時価計上を義務づけています。しかし、株や証券化商品は貨幣価値の多重計上にすぎません。複数の株や証券を通じて貨幣の価値が複数回計上される性質があるのです。

 (図29) F社の将来キャッシュフローから、F社の現在価値は算出されます。
 現在価値は時間の経過と共に期間損益として実現されます。F社の現在価値も期間損益という形で各期に計上されるのです。

 G社(F社株保有)はF社株を時価(現在価値を元に算出される)で計上します(時価会計)。
 これはF社の将来の損益を計上することと同じ意味になります。F社の現在価値はF社の期間損益という形で将来計上されます。これをG社がF社株という形で計上すると、F社損益の2重計上になります。

 F社損益の2重計上により、G社株の時価が変動することになります。
 H社(G社株保有)はG社株を時価で計上します。(時価会計)
 G社の株価がH社の株価に反映されることになります。G社の株価にはF社の時価が反映されています。

 以上から、H社の株価にはF社の損益が反映されていることになります。
 このように、時価会計は期間損益の多重計上になるのです。
 (F社の将来損益がG社、H社に多重計上されているのです)
 しかし、F社の損益はF社が毎年1年分を1回計上すれば十分なはずです。
 G社、H社や他社がF社損益を計上する必要はないのです。

 (図30)F社株の時価は現在価値(将来損益から算出)を元に構成されます。これを他社のB/Sに計上すると、F社将来損益の多重計上になります。

 株の売買は株対象企業の将来損益の売買です。ですから保有株の含み益、含み損を自社の損益として計上すると、損益の多重計上になります。よって含み益、含み損を自社損益として計上してはいけないのです。
 時価会計は含み損益会計というべき内容です。ですから廃止する必要があるのです。

 金融危機の原因の一端は、時価会計による多重損失計上にあります。これが極端な資本不足につながってしまったのです。
 ですから、時価会計を廃止することにより状況を改善することが可能なのです。
 株は動的価値としては意味のない存在です(貨幣価値の多重計上)。ですから時価ではなく静的価値として会計処理を行うべきなのです。

 企業が株を公開すると、貨幣総額はe倍になります。ですから、時価会計は損益を実際のe倍に拡大して計上する方法ということになるのです。

・好景気時には過大な損益(企業損益のe倍の損益)が発生する。
・不景気時には過大な損失(企業損益のe倍の損益)が発生する。

 好景気時には損益が過剰になり、不景気時には損失が過剰になります。その結果、好景気時と不景気時の経済状況の差が拡大します。これが不景気時の急激な資産減少につながり、過剰な倒産等につながってしまうのです。
 全ての株を市場で売却しようとすれば、値がつかなくなります。時価で全株を売却することなどできません。株は貨幣価値の多重計上なのです。よって、時価で会計処理することには意味がないのです。

 デリバティブ商品の場合、時価で会計処理すると、対象企業は以下のような行動に走ります。
 「デリバティブの含み益があるから利益(資産)がある、利益があるから様々な(デリバティブ)商品を購入する」
 時価会計はこのような行動を推奨する制度なのです。
 しかし、これは将来貨幣を現在の貨幣として所有し、買い物をしている状態です。
 この買い物が新たな将来貨幣につながります。これを時価会計で処理すると再び利益が計上されることになるのです。
 このような取引の連鎖で、将来貨幣−現在貨幣間の回転が急速に進むことになります。

 何らかの原因(今回はサブプライムローン)で将来貨幣がなくなると、この回転数分の貨幣が失われることになり、急激な資本不足に陥ってしまうのです。

 現在価値は将来発生する利益を現時点の価値に換算したらいくらになるかを算出するものです。時価は現在価値を元に決められています。
 ですから時価で会計処理を行うと、将来損益の前借のような状況になってしまうのです。
 時価会計ではこの前借した損益を現在保有している価値と錯覚させてしまうのです。これが新たな商品購入等を助長することになるのです。  
 よって、時価会計は廃止する必要があるのです。

(2009.1.8 午後3時 記載)
 バランスシートはある一時点における資産・負債状況を意味します。
 ある特定の勘定科目だけ将来CFを計上するとバランスしなくなります。
 資本増減でこの差をカバーすると、資本の増減幅が大きくなり、企業経営が不安定になります。不景気時には企業倒産が続出することになるのです。
 (現在の金融危機がこの状況です)
 デリバティブ商品の目的の大半は、将来の利益や価格を確定することにあります。
 しかし、そのために今時点で何らかの契約を行うと、その契約が原因になって将来が変わってしまうのです。
 その変化を抑えようとすると、また将来が変わります。
 現在−将来の時間は未確定です。ですから、将来の状況を確定することはできないのです。
(2009.8.14 午後10時 記載)
金融機関統合による金融リスク解消

 金融機関同士の取引における金融リスクは、当該金融機関の統合により解消することが可能です。
 金融機関(銀行等)を統合すると、合併前の状態で交わしていた金融機関相互間のデリバティブ(SWAP等)の契約は消滅します。
 金融機関の統合は金利リスク等、金融リスクの減少要因となります。安定した経済運営に必須ということになります。

 現在の金融危機では特にクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ばれる信用デリバティブが問題視されています。
 この問題の解決手段として、金融機関の統合は極めて有効です。統合により金融機関同士のCDSのリスクを完全に解消することが可能です。

 金融機関の主な役割は、経済取引の仲介機能です。金融機関がポジションをとって利益を得るのは本来の役割ではありません。かえって社会全体の不安定要因になっているのです。

(2009.1.10 午後10時 記載)
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