貨幣価値の多重計上による貨幣総額増加率の算出
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貨幣価値の多重計上による貨幣総額増加率の算出

 経済取引主体(企業)が全体でn社の経済取引を考えます。
 (会社の経済的価値はすべて同一とします)
 株発行前の貨幣総額を1とします。

 貨幣は将来発生する経済取引価値の事前計上です。1社当たりの経済取引価値の事前計上分は 1/n になります。

 貨幣による経済取引価値の事前計上期間と、株による企業価値の計上期間が一致するという前提で考察を進めます。

 株の価値の源泉は企業の将来キャッシュフローにあります。株は将来の経済取引価値を事前計上した存在と考えるべきです。
 以上から、貨幣、株は共に経済取引価値の事前計上ということになります。
 よって、ある1企業の公開株の動的価値は貨幣価値1/n の2重計上ということになるのです。

現在の証券価値の算出方法(貨幣価値の多重計上を考慮)

 1社(A社)が全企業価値分の株を公開する場合を考えます。
 貨幣総額のうち 1/n が2重に計上されることになるため、貨幣総額は
 1 + 1/n になります。(A社株の価値を含む)
 1/n は株という形で各企業が保有します。各企業の資産として計上されるということです。

 次に他の1社(B社)が全企業価値分の株を公開すると考えます。
 公開前の貨幣総額は ( 1 + 1/n) になっています。(1/n はA社の株の価値)
 B社の経済的価値は以下になります。

 ( 1 + 1/n) /n

 B社株の公開により、この金額が2重に計上されることになります。
 この時、貨幣総額は

 ( 1 + 1/n)( 1 + 1/n)= 1 + 2/n + 1/n^2  (^2は2乗の意味)

 になります。(A社、B社の株価値を含む)

・右辺で分母がnの項は、貨幣価値が2重計上された結果
・右辺で分母がn^2の項は、貨幣価値が3重計上された結果
 と考えることができます。

 同様に、n社全社が全企業価値分の株を公開すると、貨幣総額(株価値を含む)は

 (1 + 1/n)^n    (^n はn乗の意味)

 になります。
 nを無限大にすると、この値は e になります。(eは自然対数の底)

 lim(n→∞) (1 + 1/n)^n = e   (eの数学的な定義)

 以上から、全企業が企業価値を全て株として公開すると、貨幣総額は e 倍になることが分かります。( e =2.71・・)
 株の公開により、企業の経済的な価値が e 倍に見えることになります。
 (実際の企業の経済取引規模に比べ、経済的価値がe倍に計上されます)
 これは企業の価値が大きくなったことを意味するのではありません。単に貨幣価値を多重計上した結果、貨幣総額が増大して見えているだけなのです。

 ある企業が株を公開すると、(1 + 1/n) を貨幣総額全体に掛けます。これは、他企業の価値が増大して見えることを意味します。
 逆に言えば、ある上場企業が倒産すると、他の企業の価値が 1/( 1 + 1/n ) 倍だけ小さくなることを意味しています。
 他社の倒産が、自社の価値の下落につながるということです。
 以上から、株などの証券価値を1企業ごとに算出することは不可能だという結論が得られることになります。
 企業の価値は互いに内包しあっています。他企業の倒産は自社の企業価値低下につながるのです。

 1/( 1 + 1/n ) = 1 − 1/( n + 1 )

 よって、企業倒産時の経済的な損失割合は 1/( n + 1 ) になります。
 全社の経済的価値がeの場合、1社の倒産で e/( n + 1 ) の経済的損失が発生します。
 nが十分大きい場合、これは e/n に一致します。
 株発行前の1社の経済的価値は 1/n です。株の発行により損失額がe倍に膨らむのです。

 「証券は貨幣価値の多重計上」で、現在貨幣と将来貨幣間で高速回転しているのが貨幣構造だと説明しました。 ここまでの説明から、この平均回転数は ( e ? 1 = 1.71・・) になることが理解できたことになります。
 (1回転で価値が2倍になるため、e倍では ( e ? 1 )回転になる)
 (全社の全企業価値を一通り株として公開した場合)

(2009.1.7 午後4時 記載)
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