株は企業の借入とするべき
輝の会は不良債権問題等、日本及び世界の金融経済問題を解決しました。
動的価値総額プラスの矛盾

 AB間の取引を考えます(図12)。@で100円の売買を行います。取引後の動的価値をその下に記載しています。続いてAで売買逆方向の取引を行います。取引後の動的価値をその下に記載しています。
 @、A終了後のA、Bの動的価値の合計値は、共に0円となります。

 動的価値プラスは他者から静的価値を受取る権利を保有する状態であり、動的価値マイナスは他者へ静的価値を提供する義務がある状態を意味します。よって、動的価値の合計は0になるのが経済の原則ということになります。

 (図12)の@Aが繰り返されると考えます。Aの後、Bには100円の価値があるとみなして、100円の株式を公開し、Aがこれを購入すると考えます(図13)。その結果、Aの動的価値総額は0円、Bの動的価値総額は100円となります。A、Bの動的価値総額は100円となります。
 動的価値総額は0円となるのが原則です。これがプラスの場合、支払い義務のない動的価値が発生していることになります。(図13)では、株式公開の結果、債務者のいない債権が100円分発生したことを意味しています。
 貨幣と株は動的価値と考えられています。貨幣プラスの状態(債権)は、貨幣マイナス(債務)の状態と同時に発生します。債権者のみ存在して債務者がいない場合、貨幣で何かを購入しようとしても、支払い義務のある人がいないため、何も購入できない場合が起こりうるのです。
 ですから、動的価値(株、貨幣)の合計額は0円が原則なのです。そうしないと、債務者のいない債権が発生していることになります。
 以上の考察から、(図13)の状態では、債務者のいない債権が100円分発生していることになるのです。株は貨幣価値の2重計上です。株100円分だけ動的価値が過剰に計上されているのです。
 このように、株を公開すると、動的価値総額がプラスになります。これは社会が豊かになったことを意味するのではありません。単に動的価値を過剰に計上しているだけなのです。

 尚、動的価値総額が0円というのは、建物・機械等の価値が無いことを意味しているのではありません。株は動的価値と考えられています(市場を通じて貨幣と交換可能)。貨幣総額は0円が原則です。よって、動的価値総額は0円にしなければならないのです。
 貨幣との交換を前提としない(他者との交換を想定しない)建物や機械等の価値は当然0ではありません。しかし、これらは静的価値なのです。動的価値とは、他者保有の静的価値と交換できる資産のことなのです。

 ABCD4社の取引を想定します(図14)。@の取引とAの取引が交互に行われるとします。@Aいずれの場合も、4社の貨幣総額は0円となります。(先に商品を受領するとマイナス100円となるため)

 (図14)@の後、Aが株を100円で発行し、Dが購入するとします(図15 @)。4社の動的価値は(図15)Aの状態になります。4社の動的価値の合計額は100円となります。発行した株式の分、動的価値総額がプラスとなるのです。

 (図15)の後、(図14)のAの取引を試みます。しかし、Dが貨幣を所有していないため、AD間の取引はDが借金をしない限り不可能となります。尚、BC間の取引は可能です。
 以上から、株には経済規模を縮小させる働きがあることが分かります。株式市場に投入された貨幣分だけ、経済取引規模が小さくなってしまうのです。
 よって、株式公開制度を廃止した方が、経済は円滑に発展するということがご理解頂けると思います。
株は企業の借入とするべき

 企業の資産や将来発生する利益等を元にして、株の価値は決められています。株の発行は、企業が将来獲得する貨幣を事前に調達する制度と考えることができます。
 一般に、将来獲得する貨幣を担保として事前に貨幣を受領する行為を借入と呼びます。ですから、株は企業の借入と考えるべきです。
 株を企業の借入とする場合、発行分だけ企業の動的価値総額が減少します(株価総額が企業の借金となります)。これを図13、図15に適用すると、動的価値の各企業の総額は0円となります。

 現在の株は、債務者のいない動的価値(貨幣)を発生させるという、誤った制度なのです。株は発行企業の債務ですから、発行企業が全て時価で買戻すべきということになります。
 株は貨幣価値の2重計上だと説明しました。しかし、株が企業の借入ならば、このような重複はなくなります。

(2008.10.25 午後4時 記載)
企業の所有者は消費者

 株を企業の借入にした場合、企業の所有者は誰だと考えればいいのでしょうか。
 企業の経済的価値は、消費者が保有する貨幣にあります。これは、企業価値の源泉が消費者であることを意味します。
 従来、企業価値の所有者は株主だと考えられていました。しかし、企業価値を支えているのが消費者である以上、企業の所有者は消費者であると考えるのが妥当ということになります。
 このように企業所有者を正確に理解することにより、金融・経済の仕組みをより高度化することが可能となるのです。

(2008.10.26 午後1時 記載)
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