| 金利と経済成長率の不一致 |
| 先程の取引例で、金利と経済成長率は一致することがお分かりいただけたと思いますが、これが不一致の場合、一体何が起こるのでしょうか。 先程の2回目の取引で、貸出金利を20%とし、取引を110円とします(預金金利を10%とします)。この場合、経済成長率は10%になります。すると、Bは110円の売上で、120円の返済を行わなければなりません。しかし、差額の10円を支払うことは不可能です。この10円は銀行Cの債権です。回収できない債権ですから、これは不良債権ということになります。 |
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| このように、経済成長率を銀行の貸出金利が上回る場合、必ずその金利差分だけ不良債権が発生することになります。 経済成長率は国家全体の計数ですから、 「国全体で平均すると、不良債権が発生する」 ということになるのです。返済原資が存在しないのですから、返せるはずがありません。もちろん財務体質の優良な企業では大丈夫でしょうが、財務状況の苦しい企業ほど、不良債権発生 → 倒産ということになりかねないのです。 ですから、不良債権の発生を防止するためにも、金利と経済規模の変化率には整合性を保つ必要があるのです。 ここまでの考察から、不良債権が発生するメカニズムがほぼ把握できたのではないでしょうか。1998年度以降、名目経済成長率はマイナスに転じていますが、銀行の貸出金利はプラスのままです。この差は返済原資が存在しないのですから、不良債権として顕在化してしまうのです。 ですから、経済がマイナス成長の状態では、いくら銀行が不良債権を処理しても、不良債権は増加を続けることになります。理論的に当然の帰結なのです。 また、日銀がゼロ金利政策を実施しているにも拘わらず、企業の借入意欲が乏しい理由も簡単に理解することができます。経済がマイナス成長で貸出金利がプラスの場合、借金は損失につながる可能性が高いのです。平均的に見ると、損失の発生する可能性の方が、利益を得る可能性よりも高くなるのです。 ですから、企業の投資意欲を高め、経済を活性化させるためにも、経済状況に適した金利、マイナス金利を導入する必要があるのです。 預金者保護の観点から、金利はプラスにして元本を保証するべきだ、という意見もあるかもしれませんが、これは本来無理なことなのです。経済があって貨幣は存在するのです。経済が縮小すれば、当然貨幣は減少します。このとき貨幣を減少させなければ、預金者は本来存在しないはずの貨幣を保有することになってしまうのです。このような貨幣が増加すると、経済全体に対する信用が失われてしまいます。ですから、経済縮小時には預金にもマイナス金利を導入する必要があるのです。 また、経済成長率を超えた金利は、過度な返済負担になるため、企業を倒産させてしまうかもしれません。そうすると、金利負担以上の経済的な価値が失われることになります。国家全体としてみれば、預金者の受取利息によりメリットよりも、企業倒産等によるデメリットの方がはるかに大きいことになります。つまり、金利を経済成長率より高くすると、経済を破壊してしまうのです。 ですから、金利は常に債権者、債務者に等しい負担となる値に設定するべきなのです。その値が、経済成長率ということになるのです。よろしいでしょうか |
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